1972
METAL GURU/T.REX
/ FROM THE SLIDER (MARC BOLAN)
イントロのブラスの音、フィルスペクターを意識した分厚いリズム隊の中、マーク ヴォルマン&ハワード ケイラン(フロー&エディ)による「ウ〜 ウォー オー イェ〜〜 エ〜」「ア〜〜ア〜」というバックコーラス。それだけで、かっこいい!!マーク ボランがすばらしいのは間違いない。シンプルな曲調と、セクシーな歌声。そして、うまいかへたかはわからないけど、とても印象に残るギターの音。「グル」という言葉に少しけちがついたときもあったが名曲に、そんなことは関係なかった。
 
 このグラム ロックを代表する全英bPソングは、シンプルな曲の中に素晴らしいものが詰まっている。冒頭に書いたフロー&エディは、タートルズとしてハッピー トゥゲザーを出した後に、フランク ザッパのマザーズに加入して、素晴らしい活躍をした。(「フィルモアのマザーズ’71)は、大好き!!それに、ビリー ザ マウンテン!!)この人たちのバックコーラスがストレンジで、とってもかっこいい。それに、トニー ヴィスコンティのプロデュース(なぜかジェントル ジャイアントの初期もこの人がしている)がとってもよくって、ゆがんだ音であったり、今までの音楽シーンで培ってきたポップ ミュージックのエッセンスを詰め込んだものであったり、「あの」ストリングス アレンジメントがこの曲の価値をあげている。
 自分がこの人のファンになったとたんに交通事故で死んでしまった。悲しいけど、この名曲はいつまでも残る。とにかくかっこいい!!
                              (2001年4月22日)


WHATEVERSHEBRINGSWESIN
G/KEVIN AYERS/
FROM
WHATEVERSHEBIRINGSWESING
(KEVIN AYERS)
 
 ソフトマシーンを抜けたケヴィン エヤーズは、自由なくらしを求めてマジョルカ島に逃げ出した。でも、音楽への思いを捨てきらずに、THE WHOLE WORLDを結成して帰ってきた。(正確に言うと、JOY OF A TOYをソロで出した後)そのメンバーには、サックスのロン コックスビル、キーボードのデヴィッド ベッドフォード、そして、ベースとギターにマイクオールドフィールドなどがいた。一枚目のSHOOTING FOR THE MOONでは名曲のMAY I?を世に出した。そして、その2枚目である。
 この曲は、そのアルバムの目玉であるのだが、ゲストにバックヴォーカルでロバートワイアットが入っている。ベースによる印象的なフレーズに、きらきらと輝くようなマイクオールドフィールドのギター、そして、エヤーズの地に響くような低音ヴォーカルで淡々と歌われる。そして、素晴らしいのは、サビのところでエヤーズの低音に、ワイアットの天から降ってきたような高音ヴォーカルが重なるところである。なんだか空に飛んでいきそうな気持ちよさである。
 この曲のライブでは、ワイアットのバックボーカルはないものの、マイク オールドフィールドの素晴らしいギター ソロを聞くことが出来る。
(2001年2月25日)

CLOSE TO THE EDGE/YES/
FROM CLOSE TO THE EDGE(ANDERSON-HOWE)
 この曲についてかたるのは、難しいな。あまりに有名な曲で・・、一言も二言も持っている人が多い。でも、「この曲、大好きだったら」この曲を避けて通ることは出来ないので、勇気をもって書いてみることにした。
 この曲は、四部形式の組曲であり、イエスの最高傑作である。メンバーは、ジョン アンダーソン(ヴォーカル)クリス スクワイア(ベース)スティーヴ ハウ(ギター)リック ウェイクマン(キーボード)ビル ブラッフォード(ドラム)という黄金期のメンバーである。
 スリリングなリズムがこのバンドの大きな特徴である。緊迫感を盛り上げ、静かな空間を演出する。個人的には、ビル ブラフォードが抜けたことは、イエスにとって大きな痛手だったと思っている。当然、スティーブ ハウのギターは、すごくうまくて、しかも、効果的な音を出しているし、ジョンアンダーソンは、イエスのすべてだし、ウェイクマンのキーボードもシンセも素晴らしい。この曲のどんなところから論じても、素晴らしいのである。
 素晴らしいばっかりじゃ伝わらないな・・・。
 自分は、初めてこれを買ったときには、まず「内ジャケット」に感動し、曲に入った。分かりやすくて、しかも、躍動感がある曲は、すぐに好きになれた。いつまでもあきのくることがない。この曲からプログレにはまった人って多いんだろうな。プログレを聞いたことがない人にすすめるのには、十分な曲である。長い曲がいやというなら別だが、そんな人にはすすめる必要がないし、音楽をともに語る必要もないと思う。
 この曲、カラオケで歌えるな。でも、だれも聞いてくれないし、ギターでひくには難しすぎるし。
 この曲は、レコーディングの時は、いっぺんに演奏したわけじゃなくて、いくつかのパートをつなぎ合わせて演奏したとか。まるでマイルスのレコーディングをきって貼り付けて作り上げたテオ マセロみたいだ。まさに編集の妙である。
(2001年2月25日)

THE MUSIC MEAVER/SANDY DENNY /FROM SANDY(SANDY DENNY)

フェアポート コンヴェンションの全盛期のヴォーカルだったサンディ デニーは、名作のリージ アンド リーフを最後にバンドをやめ、(後にいったんもどってくるが)フォザリンゲイというバンドのあとにソロに入った。やめた理由は、自分の書いた曲やポップな曲もやりたいというものと、つれあいのトレバー ルーカスといっしょにいたいという理由だった。トレバールーカスがフェアポートコンヴェンションに後に参加したので、サンディももどってくることになった(日本公演もそうで、ライブ盤がでている)。でも、数年後、家の中での事故がもとでこの人は死んでしまう。サンディは、フェアポートをやめたあとにLED ZEPPELINと競演しTHE BATTLE OF EVERMOREを世に出すことになる。また、ソロもなかなか好調でこの年にはイギリスの女性ヴォーカルの人気ナンバー1を取ることになる。少しハスキーで、深みと憂いがある声、表現力も素晴らしい。この人が早く死んだのは誠に残念。
 2枚目のサンディの最後を飾るナンバー。フェアポートコンヴェンションを支えていた名フィドラーのデイブスォーブリックの深いヴァイオリンと、ピアノをバックにサンディが感情を抑えたヴォーカルで歌う。二人の競演がとても素晴らしい。
(2000年12月23日)

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